固定残業代ってぶっちゃけどうなんだろう?
固定残業代がある会社ってブラック企業なの?
ホワイト企業なの?
今回はこんなお悩みにお答えします。
この記事を書いている私は、某大手企業の人事管理職をしている匿名係長です。
私の会社は固定残業代が25時間ついています。
固定残業代って過剰に働かされるというイメージがあるかもしれませんが、メリットもあります。
今回は、固定残業代がある会社はブラック企業なのか、ホワイト企業なのか?
というテーマでブログを更新していきます。
それではいきましょう。
固定残業代がある会社はホワイト企業が多い
固定残業代がある会社はホワイト企業が多いです。
理由は下記の3つ。
- ブラック企業はサービス残業
- 残業しなくても固定分が払われる
- 生産性を上げるモチベーションになる
1つずつ説明していきます。
ブラック企業はそもそもサービス残業
ブラック企業はそもそも残業代を払いません。
基本サービス残業です。
もしくは、みなし管理職という形で残業がつきません。
私が勤務している会社も管理職は残業代が付きません。
私も偉そうに「管理職」とか言っていますが……
実際には物事を決める権限もありません。
いわゆるみなし管理職の可能性が高いです……
そのため、残業をしていないのに、残業代がしっかり付与される固定残業制のある会社は、「ホワイト企業の割合が多い」と考えます。
残業をしなくても残業代が支払われる
固定残業代がある会社は、残業をしなくても残業代が払われるメリットがあります。
仕事が捌けて要領がよく、生産性の高い社員はホワイト企業と言えると思います。
生産性を上げるモチベーションになる
残業をしてもしなくても、固定で残業代が支給されるのであれば、仕事を早く終わらせようというモチベーションに繋がります。
固定残業制度のある会社は、社員の生産性向上に寄与する制度になりそうですね。
固定残業代をうまく利用するブラック企業もある
一方で、固定残業代をうまく利用するブラック企業もあります。
具体的には、下記の3つ。
- 固定残業以上残業しても支払わないパターン
- 月給を表記して、基本給が低いパターンと
- 休日出勤・深夜手当も払わないパターント
1つずつ解説していきます。
固定残業以上残業しても支払わないパターン
各社で決まった固定残業時間以上働くと、超えた残業代を支払わなければなりませんが、その超過分を払わないケースもあるようです。
例えば、固定残業時間が25時間と決まっていて、30時間残業したときは固定残業代+5時間の残業代を支払うのが普通です。
一方、ブラック企業はその超過分の5時間分をうやむやしにして、固定残業代のみを払うことがあります。
この場合は、固定残業代を上手く利用して、人件費削減を削減しているパターンです。
月給を表記して、基本給が低いパターン
月給とは、基本給と各種手当を合格したものが表記されています。
そのため、基本給が分かりにくいのが特徴です。
基本給は、残業代を計算する根拠となる数字です。
基本給を極端に低く設定して、固定残業代を多くしている会社もあるので注意が必要です。
休日出勤・深夜手当も払わないパターン
法律では、休日出勤や深夜働く場合、割増手当を付与する必要があります。
具体的には、休日は「0.35以上」の割増加算が必要であること。
深夜は過勤務の割増率に「0.25以上」を加算するなどが労働基準法で決まっています。
割増賃金には時間外労働に対するもののほか、休日労働に対するものと深夜業に対するものがあります。休日労働とは、労働基準法で定められた法定休日(週1日又は4週を通じて4日。曜日は問いません。)に労働させることをいいます。休日労働に対する割増賃金は、通常の賃金の3割5分以上です。深夜業とは、午後10時から翌日午前5時までの間に労働させることをいいます。深夜業に対する割増賃金は2割5分以上となります。割増賃金は重複して発生することがあります。時間外労働が深夜業となった場合、合計5割以上(2割5分+2割5分)の割増賃金を支払う必要がありますし、休日労働が深夜業となった場合は6割以上(3割5分+2割5分)の割増賃金を支払う必要があります。しかし、法定休日には法定労働時間というものが存在しませんので、休日労働をさせた場合は時間外労働に対する割増賃金は発生しません。よって、休日労働に対する割増賃金と時間外労働に対する割増賃金は重複しません。
引用元:厚生労働省
固定残業代があるので、休日や深夜加算などをしない会社も少なくありません。
会社が固定残業代を導入する狙い
会社が固定残業代を導入する狙いは下記の3点です。
- 人件費の削減
- 効率的な給与清算を可能に
- 月給を大きく見せることで魅力ある求人にする
1つずつ解説します。
人件費の削減
1つ目は、人件費の削減です。
固定残業代がついているんだから、多少の残業があっても申告するな。
という上司が多いのも事実です。
実際に私の会社は25時間の固定残業代がありますが、40時間残業をしても上司に言うのが面倒なので、申告しないこともあります。
効率的な給与清算を可能にする
固定残業代があれば、給与計算が非常に楽になります。
基本的には固定残業代の範囲で収まる社員が多いため、余計な計算が必要なくなります。
月給を大きく見せることで魅力ある求人にする
固定残業代があれば、求人などの月給を高く見せることができるため、魅力のある求人に見せることが可能です。
一方で、固定残業時間は求人に必ず書かなければならないため、求人を深く見ればわかりますが、月給が多い方が魅力のある求人に見えます。
ブラック企業ではないか見極めるポイント
ブラック企業ではないか見極めるポイントは下記の通り。
- 基本給が妥当かどうか確認
- くるみんなどの認定があるかどうか
- 離職率が妥当かどうか
1つずつ解説していきます。
基本給や固定残業代が妥当かどうか確認する
基本給や固定残業代が妥当かどうか確認しましょう。
基本給が妥当か確認するには、同じような求人から安すぎないか確認してください。
基本給が書いていない求人もごく稀にあります。
その場合は、月給から因数分解して基本給を割り出してみましょう。
また、固定残業代が妥当かどうかを確認するには、自分自身の時給を計算してみましょう。
時給計算の一例は、下記の通り。
時給の計算方法
【条件】
*年間休日が「125日」
*10時始業19時終業(1時間休憩/「労働時間8時間」)
*固定残業代45時間相当(90,000円)が付与されている場合。
【計算】
・365日−125日=240日(年間労働日数)
・240日×8時間=1920時間(年間労働時間)
・1920時間÷12ヶ月=160時間(月間労働時間)
・25万円÷160時間=1562.5円(時給)
時給から計算すると、45時間で87,862円(45時間×1,562.5円×1.25)となります。
よって、固定残業代が87,000円ほど付いていれば妥当な固定残業代と言えるでしょう。
くるみんなどの認定があるかどうか
くるみんなど、働きやすい一般的な指標があるかどうか調べて見ましょう。
くるみんとは、育休・子育てサポートに優れた企業が認定されます。
次世代育成支援対策推進法(以下「次世代法」といいます。)に基づき、行動計画を策定した企業のうち、行動計画に定めた目標を達成し、一定の要件を満たした企業は、申請を行うことによって「子育てサポート企業」として、厚生労働大臣の認定(くるみん認定・トライくるみん認定)を受けることができます。
引用元:厚生労働省
働きやすさがわかる指標としては、くるみん以外にも下記のようなものがあります。
認定制度 | 内容 |
---|---|
えるぼし認定 | 女性の活躍推進に関する状況などが優良な企業 |
ユースエール認定 | 若者の採用・育成に積極的で若者の雇用管理状況が優良 |
ホワイト企業マーク認定 | 労働の安全や健康に積極的に取り組み、高い水準を維持している企業 |
グッドキャリア企業アワード | 人が育つ仕組みやキャリア支援制度の受賞 |
えるぼし認定やユースエール認定、ホワイト企業マーク認定、グットキャリア企業アワードなど、省庁が認定する、働きやすい指標はたくさんあります。
このような認定が企業にあるかどうかもブラック企業を見極めるポイントになります。
離職率が妥当かどうか
3つ目は離職率が妥当かどうか調べてみましょう。
年齢によっても当然、離職率は変わってきますが、厚生労働省が出している離職率は下記の通り。
グリーン色の棒グラフが離職率です。
業種と比較して、離職率が高ければ「ブラック企業」の匂いがしますね。
さいごに
いかがだったでしょうか?
今回は固定残業代がある会社はホワイト企業?ブラック企業?
というテーマでブログを更新しました。
結論、私の経験上では、固定残業代のある会社は「ホワイト企業」が多いです。
一方で、ブラック企業があることは確かです。
今回記載したブラック企業に勤務していて、転職したいと考えている人は、もう少しお付き合いください。
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